#072 ハロウィン
毎年この時期になると、カナダに出発したあの高揚した気持ちと、不安に押しつぶされそうになった、寒々しい空の感じを思い出す。街中にはかぼちゃの飾りが溢れていて、空港からの風景が鮮明に思い出される。
もうあれから4年が経って、私もカナダにいただけ今の仕事に携わっていることになった。
もう言い訳できないくらいには、プロでなくてはいけないと思う。
この仕事は、英語とおなじくらいつかみどころのない、でもいつまでも興味をひいて仕方のないものという感じだ。辛いことも多い。辛いことの方が多いかもしれないが、まだ終わりが見えるほど簡単な仕事ではない。
なんせ人が相手だから切りがない。
いつも無い物ねだりで、今手に入らないものは美しく見える。自ら手放したものでもだ。
だから戻りたくなった時、手放した理由を思い出さないといけない。なぜ、あの時私はその決断に踏み切ったのか?
私の人生、一体なにを追い求めようか?
夢は一体なににしようか。
まだ迷い迷いする先生は
後生の生徒たちになにを伝えられるのだろうか。