#101 ひび割れの壺
昔、『子どもの心のコーチング』という本を買っていた。
途中まで読んでそのままになっていたが、久々に読みたくなったので読んでみると、今必要な言葉がたくさんあって力をもらった。
子育て真っ只中、復職を目前にした私には心に刺さる話ばかりだったが、あとがきの物語に心打たれた。
水汲みをするために、2つの壺があった。
ひとつはひび割れのない壺、もう一つはひび割れの壺。
水汲み人は、天秤棒の両サイドにその壺たちを提げて水を運ぶのだが、
ひび割れの壺は、水を汲んでご主人様の家に着くまでに、ひびから水がこぼれ落ちて、壺の半分しか水を持ち帰ることができない。
ひび割れの壺は惨めに思い、その気持ちを水汲み人に伝えると、
「帰路で道をよく見てごらん」と水汲み人が言った。
その日の帰路、ひび割れの壺が道に目をやると、
道端には綺麗な花が咲いていた。
そのことを水汲み人に伝えると、
「君の方にだけ花が咲いていることに気づいたかい?君が水をこぼしているのに気づいて、僕が君の側にだけ花の種を蒔いたんだ。おかげでご主人様の家に花を欠かしたことをないんだ」
この話から感じたことは、
• 自分では欠陥だと思ったいることが、もしかしたら人のために役立っているかもしれない。
• 親としてできることは、この水汲み人のように花の種を蒔くことだ。
ということ。
親も子も完璧じゃない、ひび割れの壺。
そのひびを受け入れた時に、自分の存在の価値を知ることができる。
そんな人間でありたい。
そんな親でありたい。
いつかのための備忘録でした。